登山で遭難した人達が見た幻覚まとめ
こんにちは、読書ブロガーのyukaです。
こないだKindle Unlimitedで山関連の本を読んでいたのですが、登山で遭難した人達が見た幻覚が結構すさまじかったので、感想を書きます。
参考にした書籍はこちら。
著者は2冊とも羽根田治さんという方です。こちらの書籍を参考に、遭難中に幻覚を見た3人の例を挙げます。
登山で遭難した人達が見た幻覚まとめ
秩父・唐松尾山で遭難した斎藤さん(57歳)の幻覚
斎藤さんは、ゴールデンウィーク中に奥秩父の唐松尾山を登り始めました。
お昼頃に無事に山頂に到着。しかし、下山中に道に迷ってしまいます。
山中をさまよい歩く中で、斎藤さんは20〜30m先に人がいるのが見えたので、「助けてくれ!」と叫びました。
人は成人のハイカーだったり、少年と老人の姿でした。しかしいくら叫んでも一向に気付いてくれません。よく見てみると、それは老木やガレでした。
※ガレ・・・崖の下や沢の側面、源頭付近の崩壊した礫地。
人は成人のハイカー2人であったり、少年と老人であったりした。しかし、いくら叫んでもこちらに気付いてくれない。よくよく見てみると、それは老木やガレであった。
沢に転がっている石が、頭蓋骨に見えたりもしました。
さらに、幻聴にも悩まされます。沢水の轟音が人の会話や子供の声、童謡のように聞こえたそうです。
遭難から4日後、斎藤さんは運良く携帯の電波が入る高台を見つけ、無事に救助されました。
福島・飯盛山で遭難した一条さん(62歳)の幻覚
1999年の7月末の早朝、一条さんは自宅から飯盛山へ出発します。
お昼過ぎに山頂へ到着。山頂でビールを飲んだのか原因か、間違ったルートを進み遭難してしまいます。
ヤブ蚊、雨、雷、クマの恐怖に悩まされながら一条は下山します。午後7時、岩の上で横になっていると、三段の台のようなものが見えました。
一段目の真ん中にはお地蔵様が鎮座し、その両脇にはおもちゃがたくさん並んでいました。二段目、三段目も同じように、仏様・神殿を中心にして両脇におもちゃが並んでいます。
一条さんは不審に思い、懐中電灯で照らしてみると白い花が咲いているだけでした。
更に幻覚は続きます。
別の方角に目をやると、今度はふたりの孫の写真がそれぞれ額縁に入っているので見えた。さらに沢の方角には、今まで見たこともないような素晴らしい都会の街並みが現れた。
この時は幻覚だと思わなかったようです。怖いという感じはなく、ただただ不思議だったと一条さんは振り返ります。
一条さんが見たその他の幻覚
- 大きなヘリコプター。(鳥や雲だったそうです)
- 大きな岩の上に2台のテレビカメラをセットしているロケの撮影隊。
- いくら追い払っても近寄ってくる大きなカエル。
翌日、一条さんはヘリコプターで無事に救助されました。遭難初日に、一条さんの家族が遭難願いを出していたそうです。
南アルプス・仁田沢で遭難した佐藤さん(50歳)の幻覚
1992年のお盆、佐藤さんは仁田沢へ入りますが、下りの時に崖から落ちてしまいます。
その時の転落で佐藤さんは足の骨を折り、全身に裂傷を負います。足の状態は特にひどく、骨が皮膚を突き破るほどでした。
佐藤さんはやっとの思いで、湖の対岸が見えるところに出ます。向こうに車が通る度に旗を振って救助を求めますが、気付いてもらえませんでした。
夕方くらいに対岸にブルドーザーが来て整地作業を始めたので、佐藤さんは必死にタオルを振って助けを求めます。しかし、このブルドーザーは幻覚でした。
食料もテントも転落した際になくしてしまい、何もない状態で佐藤さんは救助を待ち続けます。
翌朝、湖で釣りをしている人を見つけ、大声で「助けてくれ」と叫びます。
しかし、釣り人はよく見ると枯れ木でした。佐藤さんはまたもや幻覚を見てしまったのです。
午前10時頃、ピィーという高い指笛のような音が聞こえました。対岸の方を見ると、ゴムボートに空気を入れようとしている大人が見えました。
大人の側には子どもがいます。大人の方はゴムボートに空気を入れるため、足踏み式のポンプを踏んでいるようでした。
佐藤さんは喜び、タオルで振りかざして大声で「おーい」と何度も呼びかけます。
しかし、1時間が経過しても大人はポンプを踏み続けていました。
ここまで読んでくださった方ならお分かりになると思いますが、これもまた幻覚でした。
ポンプ踏みの幻覚は2時間続きました。午後になってようやくそれが、ただの立木であったことに気づきます。
佐藤の「早く助けられたい」と願う気持ちが、幻覚を生んだのである。ドキュメント生還-山岳遭難からの救出 (ヤマケイ文庫)
佐藤さんが見た幻覚はこれで以上となります。遭難から6日、佐藤さんは無事に救助されました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。登山中に遭難した人達が見た幻覚についてまとめました。
幻覚を見た人達には、共通したものがあります。
- 1人
- 周りに助けてくれる人がいない、連絡手段がない
- 食料や水、テントやシュラフなどの装備がない
- 雨風や寒さに悩まされる
- 夜は寒さや虫のせいでほとんど寝付けない
上記のような極限状態の中で、「早く助けられたい」という気持ちが高まると決まって幻覚を見ることがわかりました。
1人で登山する時は気をつけたいですね。
2冊とも、kindle unlimitedで読めます。 (情報は2023年8月時点のものです。最新の配信状況は Kindle unlimited サイトにてご確認ください。)